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【珍所:其の27 石切劔箭神社】

 前回は参道しか紹介できなかったので、今回は、石切劔箭神社(いしきりつるぎやじんじゃ)そのものを取り上げます。
 (文中は「石切神社」で統一させてもらいます)

 参道の複雑さもさることながら、神社自体も、かなり個性的です。

 現在の石切神社は、「でんぼ(腫瘍・出来物)の神」として、<癌封じ>を筆頭に、熱狂的な信仰を集めています。週末や祝日に参拝すると、何百人もの参拝者が、境内をお百度詣りされている姿を見ることができます。

▲平日の昼間でも、数十人くらいの参拝者がいる。
前回行った時は、境内でラマ僧と通訳者を見かけた。

 境内や神社の前など数カ所では、お百度用の白いコヨリの束が積まれており、お百度をする参拝者は、このコヨリを使って、自分が何回巡ったかを数えながら境内を回るわけです。
 老若男女が、かなりの早さでグルグル回っています。私などは、いつも参拝者の真剣さに圧倒されます。
 厚底ブーツとミニスカートを履いたギャルや、金髪の高校生男子などが真剣な表情でお百度を巡っていたりするのを見るにつけ、ひどく重かったり、壮絶さを感じたりします。
 何かを述べる事すら憚られるような、切迫した祈りの塊が回転しているのです。


 石切神社が今のような「でんぼの神さん」になったのは、近世以降だとされています。
 前回も参考にさせてもらった、黒田浩一郎氏の論攷によると、
「病気治しの神様」としての石切神社の出発点はいつか。神社側の話では、江戸時代後期に神主が山林斗ソウ(※托鉢行脚のこと)や滝行を行って験力を磨き、そのころから、「デンボの神さん」として有名になってきたということである。「細分化された特定の現世利益的機能をになう神」という意味での機能神への信仰がさかんになってくるのは一般に近世以降だとされているが、石切神社も江戸時代の後期に機能神の列に加わることとなったわけである。

黒田浩一郎「ひしめく神々」(宗教社会学の会『生駒の神々-現代都市の民俗宗教-』創元社/昭和60)より抜粋
(※ )内の注釈は、12v電源による。
 神主が滝行で験力を磨き……という部分が、なんだか巷の新興宗教みたいですが、石切神社は記紀神話時代から続く古社であります。

 どう言えば良いのか、難しいんですけども、生駒山系の神社や寺は、公から認められた寺社の格と同じくらい、こういう「超絶した力を持つカリスマ」を重要視するところがあるような気がします。
 古くから霊場とされてきて山であること、修験道の重要な行場であったこと……その他、諸々の理由が絡み合って、前回の参道風景を見て頂ければ分かるように、外から見れば「科学的ではないモノ・コト」を、結構すんなり「そういうものだ」と、受け入れてしまう土壌があるように感じます。
 だから、(言葉は悪いですが)外で偏見や誤解を受けやすい存在が、生駒山や近隣の山麓に、どんどん集まってくる。
 名前にもの凄いインパクトのある「宗教法人大宇宙教 信貴山断食道場」などの民間医療施設や、滝行場、凄い数の新興宗教施設、何十もある「朝鮮寺」と呼ばれる在日系の寺、修験道の修行場、「気」の研究所、漢方薬製造所、自己啓発系、遊郭だってある(あった)。……その他諸々。もう、何でもアリです。
 私個人として、こういう雰囲気は嫌いじゃない、というかむしろ好きで居心地良かったりするんですけども。


 閑話休題。
 では、「でんぼの神」として有名になる前の石切神社はどうだったかと言うと。
 石切神社の祭神は、饒速日(ニギハヤヒ)命と、その子供にあたる可美真手(ウマシマデ)命です。
 饒速日命は、神武天皇の東征に先立って、アマテラスから十種の神宝を授かり、天磐船(※)に乗って、今の生駒山とされる「哮ヶ峰(たけるがみね)」に天降り、土地の豪族だった長髄彦(ナガスネヒコ)を討ったとされる神です。

※天磐船…生駒には、巨岩(天の磐船)を神体とする磐船神社が存在する。

 饒速日命は物部氏の祖であること、神主を代々、物部氏の子孫である穂積氏(現在は「木積(コヅミ)」と名を変えている)が担っていることから、元々、石切神社は、物部氏の氏神だったと考えられています。
 先の黒田氏は、「石切神社は白鳳時代以前に氏族神として出発した」と述べられている。


▲石切神社内にある、穂積神霊社

 ちなみに、石切の近くに、神武天皇が長髓彦と戦ったとされる孔舎衛坂(くさえざか・現「日下町」)という場所があるんですが、ここは、日本全国の廃駅ファン(目的:近鉄・孔舎衛坂駅跡)と、心霊スポットファン(目的:旧生駒トンネル)が集まる場所だったりします。
 
 それは置いておいて。

 近世以降、「でんぼの神」として隆盛していく石切神社は、昭和23年に、「神道石切教」と宗教法人化することになります。
 宗教法人となった石切神社は、個性的な社殿を建てていくことになります。

 石切神社参道を山側に抜け、近鉄電車の高架を抜け、更に生駒山側を登っていくこと数分。


見えてきた。
ちなみに看板の「明正教本部」は、別物。
(明正教は教派神道系の宗教法人)


全国でも珍しい、一対の「狛ペガサス」。
(写真は切れてますが、もう一頭います)


どーん。
一瞬、空いた口が塞がらなくなる
石切夢観音堂 (平成6年建設)

 ここの観音像は、すごいです。
 残念ながら、日曜日以外は閉館しているので、今回は入ることができなかったんですが……
 そう、こんな感じです。▼



デフォルメじゃないですよ。
実物はもっと凄いです。

こちらのサイト様に、夢観音の写真が掲載されていました。
 私は1度だけ訪問したことがあります。蓮の花の上は展望台になってるんですよ。

 さて、夢観音堂のすぐ隣から伸びる石段を登っていくと……


▲石切劔箭神社・上之社(奥の院)

なんだか、やっと普通の神社に出会った気分です。
と、思ったら大間違い。
この神社の奥に進んでいくと……


いきなり、縄文式っぽい建築物が見えてきた。
登美霊社(とみれいしゃ)
 長髄彦の妹であり、饒速日命の妃であり、可美真手命の母である三炊屋媛(みかしきやひめ)を祀った社。
 外から見ると、最近作られたようです。

 たぶん気のせいですが……。
 あまりこういう根拠のない事は書きたくないので、白字で書きます。
 この鳥居に入った途端、はっきりした頭痛と恐怖感と動悸、心に鳥肌が立つような感覚がしました。伏見稲荷のように「拒絶されている」感じではなく、監視されている・一挙一動が見られているという感じでした。


 社に入った瞬間、おののきました。
 中央祭壇に、黒い磐座が祀られ、無数の白い幣帛が磐座を取り囲んでいる。
 磐座の上には、バーナーで焚かれていると思われる炎が、細く長く立っている。

見たことがないくらい原始的な祭具。

 側の机に置かれていた『石切登美霊社 参拝のしおり』を読んでみると、
 登美霊社の社殿は、前方後円墳と太古の住居を合わせて模ったもので、その造形は御母神の御社に相応しく、優美で女性的なまろやかさを備えております。
 御母神三炊屋媛の御神霊は、正面祭壇の磐座に御鎮座され、その両側には御幣を御霊代として、自我霊尊が祭祀されます。
 社殿内部も、外観同様に太古の祭祀の姿を模ったもので、祭場の設えは、質素を旨として煌びやかな装飾等を避け、質実さと崇高さを両立した空間が広がっております。
 心静かに手を合わせて祈り、自らの魂を鎮め祀るに相応しい鎮魂の御社であります。
と、ある。

 つまり、信者の生霊を祀っている訳ですな。
 江戸時代の(復)古神道で流行った「生祠」に近いものだと思われます。
 ちなみにパンフレットと共に置いてあった申込書によると、祭祀料は、個人で三万円(終身で三十万円)。だ、そうです。
 社殿だけみると、最近作られた感じがするんですが……どうも気になります。


 夢観音や上之社がある場所は「辻子谷(ずしだに)」と呼ばれており、生駒一帯でも、特に中小宗教法人の密集地帯となっています。

 今後、もうちょっと調べていきたいと思います。

 と言うか、あまり遠出をするお金と時間が無くなってきましたので、地域密着型で誤魔化そうと思っております。

  ◇
 
 標高が高い石切から大阪市街地の方を見ると、梅田や京橋あたりの、屹立する摩天楼のシルエットがよく見えます。

 電車数十分の距離で、時代が半世紀くらい違う気がしますよ。
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